トーキョーブックガール

海外文学や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いています。

2017年上半期のBest Books(Esquire: "The Best Books of 2017 (So Far)")

Esquireの記事『The Best Books of 2017 (So Far)』が面白かったです。

まだ7月(記事が出た時点では6月)なのに「2017年のベスト本」って言っちゃうなんて、なんて気が早いんだ…

Esquireは毎年20-25冊を、今年出版されたベスト本と題打って紹介しているようなのですが、今年はすでにいい本をたくさん見つけてしまったのでしょうか。Lucky for them!

でも、、、私も「これは今年のベスト10に入るな」って考えながら読むタイプだから、その気持ちはよく分かる。

www.esquire.com

 『The Destroyers: A Novel』 Christopher Bollen

 『リプリー』のような小説みたいです。

The Destroyers: A Novel

The Destroyers: A Novel

 

 

 『The Ministry of Utmost Happiness: A Novel』 アルンダティ・ロイ

処女作『小さきものたちの神』が世界的ベストセラーとなったインド人女性作家の新作。両性具有者として生まれたAnjumの目を通して語られるインドの社会についてのお話、だそうです。これは是非読んでみたい。

The Ministry of Utmost Happiness: A novel

The Ministry of Utmost Happiness: A novel

 

 

 『The Answers』 Catherin Lacey

有名な俳優のガールフレンドのふりをしてくれと言われた若い女性の小説。現代的な物語なのでしょうか。

The Answers

The Answers

 

 

『Magpie Murders』 アンソニーホロヴィッツ

アンソニーホロヴィッツによるミステリー。

Magpie Murders

Magpie Murders

  • 作者: Anthony Horowitz
  • 出版社/メーカー: Orion (an Imprint of The Orion Publishing Group Ltd )
  • 発売日: 2016/10/06
  • メディア: ペーパーバック
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 『 The Windfall』 Diksha Basu

インドとアメリカを舞台にした、multi-culturalコメディ。すでにテレビドラマ化が決定しているそう。

The Windfall

The Windfall

 

 

 『We Are Never Meeting in Real Life.: Essays』 Samantha Irby

動物病院で働いていた頃書いた自伝がテレビドラマ化された著者による超爆笑エッセイ、とのこと。

We Are Never Meeting in Real Life.: Essays

We Are Never Meeting in Real Life.: Essays

 

 

フェリスによる短編集。The New Yorkerに掲載されたものだそうです。

The Dinner Party: And Other Stories: Library Edition

The Dinner Party: And Other Stories: Library Edition

 

 

 『女のいない男たち』 村上春樹

 村上春樹の『女のいない男たち』も入っています。翻訳はPihilip Gabrielさん。最近の村上作品はJay RubinさんやAlfred Birnbaumさんではなく、この方が翻訳されることが多いみたいですね。

妻や彼女に去られ、人生の折り返し地点に一人きりで立つ男たち。短編としては村上春樹が好んで使うモチーフがいくつも繰り返し出てくるなと思って読んだのですが、その後出版された長編『騎士団長殺し』はまさに村上春樹お得意のモチーフのオンパレード!で、ある意味、彼の集大成&『グレート・ギャツビー』のオマージュのようだったので、どのように「孤独な男」という題材を取り扱うか、この短編で実験をしていたのだなと思いました。

村上春樹F・スコット・フィッツジェラルドと同じく、短編をいくつか書く→気に入ったモチーフを膨らませ、長編を書く、という過程を繰り返す作家ですよね。

Men Without Women: Stories

Men Without Women: Stories

 
女のいない男たち (文春文庫)
 

 

『Rich People Problems』 ケヴィン・クワン

シンガポール出身の作家ケヴィン・クワンによる3冊目の小説『Rich People Problems』。 1,2冊目(『Crazy Rich Asians』、『China Rich Girlfriend』)と同じくとんでもなく裕福な中国系の一族を題材にしています。

私は、今この本を読んでいます!非常に現代的で面白いです。また別途レビューを書きたいと思います。

ちなみに彼の処女作『Crazy Rich Asians』はすでに映画化も決定しているとか。

Rich People Problems: A Novel

Rich People Problems: A Novel

 

 

 『The Awkward Thoughts of W. Kamau Bell: Tales of a 6'4", African American, Heterosexual, Cisgender, Left-Leaning, Asthmatic, Black and Proud Blerd, Mama's Boy, Dad, and Stand-Up Comedian』 W. Kamau Bell

なんつー長い題名なんだ!エミー賞にもノミネートされたことがあるコメディアンによる自伝兼エッセイ。背が高い(6'4"ということは193センチ!)のでバスケットボールプレイヤーによく間違えられるが、実はオタク(タイトルのBlerdとはBlack+Nerdで、黒人のオタクという意味)だという著者。

奥様は白人ということもあり、interracial marriageについても語っているとか。これも是非読んでみたいです。

 

『Startup: A Novel』 Doree Shafrir 

ベンチャー企業、スタートアップ企業文化について皮肉とユーモアを交えて書かれた小説とのこと。IT業界出身者としては見逃せません…「あるある!」がたくさん出てきそう笑。

Startup: A Novel (English Edition)

Startup: A Novel (English Edition)

 

 

 『Marlena』 Julie Buntin

北ミシガンの17歳と15歳の少女の友情についての物語。Buntinの処女作だそうです。

Marlena (English Edition)

Marlena (English Edition)

 

 

 『The Book of Joan』 Lidia Yuknavitch

サイエンス・フィクション

The Book of Joan

The Book of Joan

 

 

 『American War』 Omar El Akkad

こちらもデビュー作。未来のアメリカ。気候変動を防ぐため石油の利用を禁止する「持続可能な未来法」を大統領が可決しようとしたことで、南部が反発し紛争が起こり、2074年から2093年にわたる第2次南北戦争が勃発した。そんな時代を生きる若い女性「Sarat」の視点で語られているそうです。めちゃくちゃ面白そう&あながちありえないとも言い切れないストーリーですね。

American War

American War

 

 

 『Anything is Possible』 エリザベス・ストラウト

ピュリツァー賞作家ストラウト(『オリーヴ・キタリッジの生活』、『私の名前はルーシー・バートン』)による新作。『私の名前はルーシー・バートン』の続編のような形だそうです。

Anything is Possible

Anything is Possible

 

 

 『The Rules Do Not Apply』 Ariel Levy

The New Yorkerのジャーナリストによる、旅行や自身についてのエッセイ。

The Rules Do Not Apply (English Edition)

The Rules Do Not Apply (English Edition)

 

 

 『Exit West』 Mohsin Hamid

冒頭が非常に印象的と紹介されています。こんな感じ。

In a city swollen by refugees but still mostly at peace, or at least not yet openly at war, a young man met a young woman in a classroom and did not speak to her.

 

難民で溢れかえっているがまだ平和な、というよりも、まだおおっぴらには戦争が始まっていない街の学校の教室で、少年は少女に出会った。少女とは話さなかった。(翻訳:tokyobookgirl)

という感じ。NadiaとSaeedという少年少女の恋愛の物語。

Exit West

Exit West

 

 

 『Celine: A Novel』 ピーター・ヘラー

 ニューヨーク生まれの作家による探偵小説。

Celine: A novel

Celine: A novel

 

 

『Who Thought This Was a Good Idea? And Other Questions You Should Have Answers to When You Work in the White House』 Alyssa Mastromonaco

 これね〜、表紙が飛行機に乗っているオバマ元大統領と著者なんですよ。すごくユニーク。Amazonの方で表示されないのでコピペすると…こんなの。

f:id:tokyobookgirl:20170714143900j:plain

Who Thought This Was a Good Idea?: And Other Questions You Should Have Answers to When You Work in the White House

Who Thought This Was a Good Idea?: And Other Questions You Should Have Answers to When You Work in the White House

 

 

 『The Arrangement: A Novel』 Sarah Dunn

「オープン・マリッジ(他の人とも関係を持ってもいいとする結婚生活)」にトライした夫婦に関する小説。

The Arrangement: A Novel

The Arrangement: A Novel

 

 

 『The Refugees』 Viet Thanh Nguyen

ベトナム戦争後難民としてアメリカに渡ったベトナム人ピュリツァー賞作家による小説。南カリフォルニアに住むベトナム系移民たちの物語だそうです。個人的に移民小説が大好きなので、気になります。ベトナム系の作家は、最近よく話題になりますね。

The Refugees

The Refugees

 

 

 『Lincoln in the Bardo: A Novel』 ジョージ・ソーンダース

短編作家として知られているソーンダースの初の長編小説。

Lincoln in the Bardo: A Novel

Lincoln in the Bardo: A Novel

 

 

 『Abandon Me: Memoirs』 Melissa Febos

マンハッタンでSM嬢として働いた経験を持つ著者による自伝的エッセイ。

Abandon Me: Memoirs

Abandon Me: Memoirs

 

 

 『Running: A Novel』 Cara Hoffman

テロリズムに巻き込まれていく若者の小説だそうです。

Running: A Novel (English Edition)

Running: A Novel (English Edition)

 

 

 『Pachinko』 Min Jin Lee

構想30年だそう。韓国人作家による、在日韓国人への差別や歴史に関する物語。

Pachinko

Pachinko

 

 

 どれも面白そうです。積ん読がまた増えてしまいそうな予感!