トーキョーブックガール

海外文学や洋書レビューを中心に、好きなことをゆるゆると書いています。

エマ・ワトソンがマーガレット・アトウッドをインタビュー(Entertainment Weekly: "Emma Watson Interviews Margaret Atwood about "The Handmaid's Tale"")

みなさま、こんにちは。本当に東京は毎日暑いですね。

個人的にはもうあと…一息で…夏休み…なのでラストスパートでお仕事頑張ります。 

さて、goodreadsで開催されている、エマ・ワトソンのReading Club "Our Shared Shelf"。エマが国連のUN Womenプロジェクトの親善大使になったことをうけ、女性の権利に力を入れるべく立ち上げた、世界中の誰でも参加可能なブッククラブです。

私もメンバーになっているということを以前書きましたが、現在会員は20万人!一大組織です。

5-6月のお題本はマーガレット・アトウッドの『侍女の物語』だったのですが、そんなアトウッドにエマがインタビューしたよ〜♪という記事が、Our Shared Shelfの掲示板に上がってきましたのでご紹介します。

ew.com

マーガレット・アトウッドはカナダ人女性作家。『侍女の物語』やブッカー賞受賞作『昏き目の暗殺者』で有名です。

『侍女の物語』はディストピア小説。ギレアデ共和国という架空の宗教国家が舞台となっています。環境汚染等の問題で出生率が低下し、健康な女性は子供を産む道具として支配者層に仕える「侍女」と化しています。

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

 

 『昏き目の暗殺者』はアイリスという女性の一生を、入れ子構造で描く物語。SFでもあり、ミステリーでもあり、女性の一代記でもあり…重厚で読み応えたっぷりです。

昏き目の暗殺者

昏き目の暗殺者

 

 

 インタビューは主に『侍女の物語』について。抜粋してご紹介すると、小説のインスピレーション源については、

Watson: What was the inspiration, if you don't mind me asking?

Atwood: There were three inspirations. First, what right wing people were already saying in 1980......The second inspiration was historical. The 17th-century foundation of Ameria was not, "Let's have a democracy". It was "Let's have a theocracy", which was what they established in the New England states, such as Massachusetts, Harvard- in and around which the novel is set- began as a theological seminary in the 17th century......The third inspiration was simply my reading of speculative fiction and sci-fi, especially that of the '30's, '40's, and '50's, and my desire to give the form a try. Most of the ones I'd read had been written by men and had male protagonists, and I wanted to flip that and see what such a thing would look like if it were told from the point of view of a female narrator. It's not that those earlier books didn't have women in them, and not that women didn't play important parts; it's that they were not the narrators.

 

ワトソン:何が『侍女の物語』のインスピレーション源だったのでしょう?

アトウッド:インスピレーションは3つありました。1つ目は、1980年にすでに右翼の人々が言っていたこと……2つ目は、歴史的なものです。17世紀当時のアメリカは、民主政治を行おうという信念のもと作られたわけではありません。神権政治という考えを礎に、マサチューセッツやハーヴァードといったニューイングランドの州で神学大学が始まったのです。この小説もその辺りを舞台としています……3つ目は私自身がスペキュレイティブ・フィクションやサイエンス・フィクションを読んだこと。特に30, 40, 50年代に書かれたものを読んでいたのですが、是非こういうジャンルの小説を書いてみたいと思いました。私が読んだ小説はほとんどが男性によって書かれており、主人公も男性でした。だからそれをひっくり返して、女性の語り手の視点で書いてみたかったのです。私が読んでいた小説にも女性が出てこなかったわけではないし、女性が重要な役割を担っていなかったわけでもありません。ただ、女性が語り手ではなかったんです。

(訳:tokyobookgirl)

 

 また、『侍女の物語』がなんども映画や劇になっていることについて聞かれたアトウッドは、「今のHuluのドラマシリーズはとてもよくできていると思う」と発言しています。オペラにもなっていて、オペラ版もお気に入りなんだとか。

日本では残念ながらまだ視聴できないんですよね〜。アトウッド本人も出演しているということで、かなり楽しみです。

wired.jp

 ちなみに…個人的に大好きなアトウッド作品はこちらです。

 『ペネロピアド』は『イリアッド』をイリアスの妻・ペネロピの視点から書いた物語。

ペネロピアド (THE MYTHS)

ペネロピアド (THE MYTHS)

 

 そして、アトウッド自身のトロントでの子供時代を描いたと思われる『Cat's Eye』。少女の揺れる心が非常に繊細に描かれていました。アトウッドの娘さんもモデルになっているようで、娘さんが思春期になるのを待って書いた(思春期の少女の感情をより理解できるように)とのことです。

Cat's Eye (English Edition)

Cat's Eye (English Edition)

 

日本語訳も出版されていました。

キャッツ・アイ

キャッツ・アイ

  • 作者: マーガレットアトウッド,Margaret Atwood,松田雅子,松田寿一,柴田千秋
  • 出版社/メーカー: 開文社出版
  • 発売日: 2016/12
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

フェミニストという視点でインタビューされることも多いアトウッド。同じく若いながらも女性の権利に関して活動しているエマ・ワトソンと、楽しそうに色々とお話している様子がうかがえる記事でした。

ちなみにOur Shared Shelfの7-8月のお題本は『Beauty Myth』!読み終えたら感想を書きたいと思います。

The Beauty Myth: How Images of Beauty are Used Against Women

The Beauty Myth: How Images of Beauty are Used Against Women

 

 それではみなさま、happy reading!